「記憶力を強くする」
= 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 =
池谷裕二 著
講談社ブルーバックス、定価 980円、2001年1月20日発行


2002年講談社出版文化賞「科学出版賞」ノミネート!!!

解き明かされる記憶力の秘密

神経科学の目覚ましい進歩によって
    脳の記憶の実体がついに見えてきた。

記憶力を高める「夢の薬」を研究する著者が
  LTP、ヘブ則、シナプス可塑性などの最新理論を解説しながら
    科学的に記憶力を高めるための具体的な方法を紹介する!

メカニズムを知れば記憶力は強化できる
 
アマゾン ベストセラーランキング
   ・ 科学・テクノロジー部門第1位
   ・ 医学・薬学部門
第1位
   ・ 脳・神経科学部門
第1位
   ・ 心理学部門
第1位
   ・ 新書・文庫部門
第1位
   ・ 総合部門 瞬間最高ランキング
第2位   

おもいっきりテレビ(日本テレビ系列) 3月15日放送、週間文春 3月1日号
ワンダフル(TBS系列)
雑誌調査団 3月8日放送、週間現代 3月3日号
新・クイズ 日本人の質問(NHK)
2月25日放送、女性自身 4月10日号
聴くトク雑学ラジオ(東京FM)
1月21日放送、月刊現代 3月号
毎日新聞
2月19日、読売新聞 4月15日(日曜版)、進研ゼミ6年生6月号
財界
3月27日号、しんぶん赤旗3月18日(日曜版)、4月23日(科学欄)
週刊エコノミスト
6月5日号、月刊デンタルダイヤモンド 7月号
婦人公論
7月22日号、月刊選択 8月号、プレジデント 9月17日号、聖教新聞、
夕刊フジ
10月2日、サイエンス・サイトーク(TBSラジオ)10月28日放送
各社の機関誌(住友商事、富士通、明治生命など)
大手学習塾の広報誌(駿台
代ゼミZ会東進SEG中萬学院など)
  などで本書または本書の内容が直接紹介されました。

★週間文春 3月1日号書評で、米原万里さんから絶賛されました!
  「いや、日本の出版界も読書界も、素晴らしいサイエンス・ライターの出現を祝福すべきだろう」
  (記事の全文はこちらです)

★amazon.co.jp 別役匝氏の書評より
  「記憶のみならず広く脳科学に興味を持っている人にお勧めできる」

★独断と偏見のSF&科学書評森山和道氏の書評より
  「おちゃらけたタイトルだけど、丁寧に書かれた良い本」

★財界 3月27日号 遠藤諭氏の書評より
  
「やさしく(記憶のメカニズムを生かした?)、最新の脳の話題が読める好著である」

★週間現代 3月3日号の「話題の本」より
  「進歩の目覚ましい『記憶の研究』の現時点での到達点をすべて公開している」

★J-SOHO VENVEN 3月8日号の書評より 
  
「脳科学者が語る、目からウロコの話」

★読売新聞 4月15日(日曜版) 前野一雄氏のコラムより
  
「脳科学の仕組。何と感動的なことだろうか!!」

★bk1高山博氏の書評より
  「一般向けに書かれ、科学研究の醍醐味を伝えている」
 
本の構成 (全269頁)

第1章 脳科学から見た記憶

第2章 記憶の司令塔「海馬」

第3章
 脳とコンピューターはどちらが優秀なのか?

第4章
 「可塑性」―脳が記憶できるわけ

第5章
 脳のメモリー素子「LTP(長期増強)」

第6章
 科学的に記憶力を鍛えよう

第7章
 記憶力を増強する魔法の薬

第8章
 脳科学の未来
 
はじめに(要約)

 脳は頭蓋骨という堅い容器に囲まれることで外の世界から堅固に隔てられています。これは体の他の場所にはない独特な構造です。また、脳の重さは体重のほんの2パーセントを占めるにすぎませんが、酸素やブドウ糖などのエネルギー源はなんと、全身の20〜25パーセントも消費しています。これらの事実は、それだけ「脳」が生命にとって重要であって、高度に特殊化しているということを物語っています。

 脳の複雑なはたらきは、脳に含まれている約千億個の「神経細胞(ニューロン)」によって営まれています。神経細胞が作りあげている精密な「神経回路」によって機能しているのです。回路に含まれる神経細胞どうしの接点を「シナプス」とよびますが、このシナプスの総数は脳では千兆個にも及ぶといわれています。平均すれば、ひとつの神経細胞が1万個の神経細胞と神経回路を作っている計算になります。しかも、個々の神経細胞は、1分間に数百から数万回も連絡をやり取りしているというから驚きです。脳はまさに「小宇宙」とよぶにふさわしい稠密空間なのです。

 この本の目的は、「記憶」したり「学習」したりといった、脳の機能の中でもとりわけ高度で難解な問題について皆さんと一緒に考えていくことにあります。記憶はどのようにして脳にたくわえられるのかそもそも「記憶力」とは何なのか。そして、記憶力を増強するためにはどういう方法があるのか。こういったことを考えながら現代の脳科学が到達している極限にまで皆さんを案内したいと思います。

 記憶のメカニズムが解明されて、記憶力をコントロールできるようになれば、学校のテストなんて簡単にクリアできるでしょう。また、より多くのものごとを習得できるようになれば、さらに彩り豊かな生活を送ることができるでしょう。しかし、それだけではありません。記憶の研究は、社会的な問題になっているアルツハイマー病などの痴呆疾患の治療法や予防法の確立に向けての大きな糸口となるのです。こうした成果を信じて、脳科学者は日々、記憶の研究に励んでいます。そして、現代脳科学はすでに「記憶力」の強化法の手がかりをつかんでいます。この本では、そうした脳研究の成果について、最先端の現場から直接レポートします。
 
本書の内容(編集者による抜粋)

● 脳細胞は増やすことができる
● タクシー運転手はなぜ脳が大きくなるのか?
● よく遊ぶネズミは頭がよくなる
● 人は最大7つのことしか覚えられない。マジカルナンバー7の不思議
● 勘違いも記憶のうち、プライミング(入れ知恵)記憶とは? サブリミナル効果!?
● 記憶には7つの階層がある
● θリズムが記憶を高める
● 科学的な記憶力増強法はあった!
● 大阪大学で行われた金魚への記憶移植実験 − 記憶は植え付けることができる!
● 脳のメモリー素子 LTPとは?
● 年をとると記憶力が落ちるというウソ? − 年齢に見合った記憶方法がある
● エピソード記憶を駆使して連合的に学習しよう
● エビングハウスの忘却曲線が教える復習のタイミング − がむしゃらに勉強しても無駄!?
● 新しい知識を身につけるには1日6時間の睡眠が必要だ!
● 世界が驚いたスーパー天才マウス
● 誰でも手軽に天才になれる − 記憶力のドーピングは可能だ!
● 頭をよくする夢の薬「K90」はなぜこんなにも効くのか?
● 脳科学の未来
 
講談社に寄せられた意見・感想

● 若過ぎる人が書いていると知って、珍しいと感じました。

● 20年来のブルーバックスの愛読者です。文系の大学を卒業したフツーの専業主婦ですが、身のまわりのもの、自分をとりまくもの、自分自身にとても感心があり、ブルーバックスは読みやすく、好奇心を満たしてくれるので大好きです。タイトルのつけ方がうまいですね。

● ブルーバックスを含め、今まで読んだ本の中で、一番わかりやすく、上手くまとめた内容の書物だと思います。驚きました。

● 4月から高校生になる女性達にどう勉強すればよいかを自覚させる為に読ませる予定。

● 貴社のブルーバックス、学術文庫シリーズは非常に出来がよくレベルが高い故、常に楽しみにしています。増々良い本を出版して下さるようお願い申し上げます。

● 自分が関心を持っていることに対して奥深い内容を分かりやすく執筆されているのがよい。

● ごく最近まで学生をしていました。化学B分野が楽しく もう一度、勉強したいと思ったときに、この本に出合うことが出来て嬉しいです。

● 脳と記憶に関する最近の知識・情報が平易な表現で記述されている。とても理解しやすかった。今後は、医学的な見地から詳しい脳の専門書にも挑戦してみたくなりました。

● 書名が実用書のようで内容が最先端の研究と云うところがとてもいいと思います。若い研究者の方が一般向けの本を書かれる機会が増えるとよいですね。

● 記憶に関する脳のメカニズムの最新の研究成果が分り易く解説されており、大変参考になりました。

● K−90の研究が進んだら、次号を出してほしい。

● 大変面白かった。専門的なことが、大変にわかりやすくかかれている。

● 中学・高校でよくブルーバックスを読まされたけど、卒業後自分の意志で買ったは、今回が初めてです。

● 大変興味深く拝見しました。東洋の人や文献がやや少ないようです。潜在意識は1500年くらい前の「唯識論」に詳述されています。ユング等(の提唱する説)はやや荒い感じがします。

● 最新の脳科学について大いに啓蒙された。

● ブルーバックスは科学の啓蒙書として良書が多いのですが、カバーデザインが戴けません。センスが悪すぎます。もう少し格調高くならないでしょうか。

● 「心」を論じるなら心理学的観点が欲しい。

● とてもためになるものでありがたかったです。もう少し宣伝した方がいいと思います。

● 記憶のしくみがよく理解できてわかりやすく面白い内容でした。記憶に関する本は良く読みますが、この本は特におもしろく参考になりました。

● この本のように若い世代の人でも優秀な人、おもしろい発想の人などの本をこれからも出してください。

● もっといろんな例を記して欲しかった。

● 全てよかった。

● 最新の内容を平易に解説していて興味深く面白い。

● むつかしい分野をわかりやすく平易に表現されていることに大いに敬意を表します。〜作者に対して。

● 「実際には七〇歳を越えた人でも脳をきちんと使えばまだまだ記憶力を向上させることができるのです。」池谷博士の研究成果の続きを読みたいですね。

● 基本から最先端まで非常にわかりやすく良かったです。

● 記憶のしくみというある程度の前提となる専門知識を求められる内容を予想していたが、本書の始めから読み進めていくうち、段階をおうようにして、理解が深まっていった。記憶に関する様々な疑問が解消されていくのは、感動すら覚える。

● この年になり、もう呆けて行く一方なのを、ストップできるかを、この本にとびつきましたけど、そうはいきませんね。でも、記憶ということに関して、とても分かり易い解説で、とても面白うございました。

● 大変面白かった。第2弾、続編を期待します。

● また「記憶」に関する新発見が溜まれば続編を出してください。あと値段は本当にちょうどいいと思います。

● カバーの裏の関連ブルーバックスを読むつもりです。

● 第6章がわかりやすくおもしろかった。本著者の次号を期待する。

● 歳をとったほうが記憶の容量が大きくなるということに勇気づけられます。「記憶力増強薬」の実現により、人類の豊かな未来が開けるとよいですね。
 
出版社からのコメント

講談社 科学図書出版部 高月順一さん

「最近年のせいか、物忘れが激しくなった」とお嘆きの皆さん。諦めるには、まだ早すぎます。脳の仕組みを正しく理解し、正しい方法で覚えれば、年をとっても記憶力を高めることは十分可能です。本書は、LTPやシナプス可塑性などの神経科学の最新研究の成果を紹介しながら、記憶力を高めるための、具体的な方法をわかりやすく解説していきます。著者である池谷裕二氏は、記憶力を高める「夢の薬」を研究している第一線の若手研究者。驚くべきことに、同氏が所属する研究室では、記憶力を高める物質をすでに発見し、マウスの記憶力を数倍高める実験を成功させています。
 本書は最先端の高度な内容を紹介しているにもかかわらず、実にわかりやすく、脳科学について初めて学ぶ方でも、スラスラと理解できる内容に仕上がっています。記憶力を扱う本は数あれど、本書ほど知的好奇心を刺激し、タメになる本はないはずです。担当編集者が自信を持って推薦する『記憶力を強くする』をぜひお楽しみください。